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特許業務法人 アイテック国際特許事務所 ITEC International Patent Firm

新着情報

判例紹介「車両用指針装置」審決取消請求事件

15.08.14 判例

【判決日】平成27年6月30日 【事件番号】平成26年(行ケ) 第10236号 審決取消請求事件(http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/195/085195_hanrei.pdf) 【結論】 審決を取り消す。 【事案の概要】 本件は, 被告の特許無効審判請求により原告の特許を無効とした審決の取消訴訟である。具体的には、発明の名称を「車両用指針装置」とする発明(特許第3477995号)について被告からなされた無効審判の審判手続(無効審判請求(無効2012-800143号) における請求不成立の審決を取り消した判決(平成25年(行ケ)第10154号) 後の審判手続)において,特許権者である原告が請求項1~3に係る特許請求の範囲の訂正請求(本件訂正)をしたところ,審決は,請求項1に係る訂正は,新規事項の追加に当たるとしてこれを認めず,訂正後の請求項2及び3についての進歩性を否定する無効審決をしたため,原告が,上記審決の取消訴訟を提起した事案である。 争点は,訂正に関しての新規事項の追加の有無及び進歩性の有無である。 【本件発明の要旨】 【請求項1】「目盛り板(20)と, この目盛り板上にて指示表示する指針(30)と, 前記目盛り板を光により照射する照射手段(50)とを備えた車両用指針装置において,車両のキースイッチ(IG)のオフに伴い前記目盛り板照射手段の照射光の輝度を,前記キースイッチのオン状態の当該目盛り板照射手段の照射光の初期輝度から徐々に低下させるように制御し, 前記キースイッチのオフに伴い前記目盛り板照射手段の照射光の輝度が徐々に低下している状態で前記キースイッチがオンされると, 前記目盛り板照射手段の照射光の輝度を前記キースイッチがオンされるタイミングで零にし, このキースイッチがオンされるタイミングから遅延させて前記目盛り板照射手段の輝度を前記初期輝度に戻すように制御する制御手段(112, 112A, 113, 113A, 121乃至124, 130, 130A)を備えることを特徴とする車両用指針装置。 」 【請求項2】「目盛り板(20)と, この目盛り板上に指示表示する発光指針(30)と, 前記目盛り板を光により照射する目盛り板照射手段(50)と, 前記発光指針を光により照射して発光させ

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平成26年(ネ)第10107号特許権侵害行為差止等請求控訴事件

15.06.08 判例

【判決日】平成27年5月14日 【事件番号】平成26年(ネ)第10107号 特許権侵害行為差止等請求控訴事件(http://www.ip.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/098/085098_hanrei.pdf) (原審:大阪地裁 平成25年(ワ)第5744号) 【キーワード】技術的範囲(文言侵害、均等侵害) 【ポイント】 ・被告方法は,ユーザ情報に対応する複数の品物の画像データの全てが一覧できる状態で,情報を外部へ出す方法をとっておらず,「一覧出力形式」との構成要件(構成要件1D)を充足しない。 ・被告方法及び被告装置のように,分類されたカテゴリーのうちのひとつのカテゴリーに限って,そのカテゴリー内の全ての画像を送信したりするように置き換えると,顧客は,わざわざ,他のカテゴリーにアクセスしたり,同一カテゴリー内の他の画像に切り替えたりしなければ,預けている全ての品物を把握することができないから,他の品物の存在を失念しているような場合には,預けている品物を確実に把握することができなくなる。そうすると,本件各発明の目的を達することができず,同一の作用効果を奏するものとは認められない。 【ひとこと】 ・構成要件1Dにおける「ユーザ情報に対応する画像データを一覧出力形式で送信する」点について、明細書の課題や実施形態などに基づいて、「顧客の1度の操作で」「預けた品物の全ての画像データが」「同一のウェブページ上で閲覧できるように顧客側に出力される」ものであると解釈されています。 ・これに対し、被告方法では「顧客が他のカテゴリーにアクセスしたりしなければ預けている全ての品物を把握することができない」ことを理由に,「他の品物の存在を失念しているような場合には,預けている品物を確実に把握することができなくなる。」と判断され、非侵害と判断されています。これに関しては、被告方法では全てのカテゴリー名が一覧表示されているため、カテゴリーを順次チェックしていけば全ての品物の把握は可能であり、本願発明の課題は解決できるとの解釈も可能なようにも思います。また、カテゴリー分けをして表示するだけで簡単に本件発明の権利範囲を回避できてしまうことになり、権利者に少し酷ではとも思いました。 ・ただし、本件では、「一覧出力形式」との文言を補正により追

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判例紹介:「2次元コード読取装置」審決取消請求事件

15.04.30 判例

平成27年(行ケ)第10115号 審決取消請求事件(http://www.ip.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/951/084951_hanrei.pdf) 【要約】 原告は、本件特許に係る請求項1及び2並びに明細書の記載について、特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正審判を請求した。本件審判は,本件訂正発明は,引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり,また,明確性要件を満たしていないため、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。本件審決における本件訂正発明と引用発明との相違点の認定は,その前提となる一致点の認定が相当でないことに加え、相互に関連する構成を相違点1~3に分説した点において,相当とはいえないものである。 【結論】 審決を取り消す。 【事案の概要】 本件は,原告が,特許庁が本件審判(訂正審判)の請求は成り立たないとした審決の取り消しを求める事案である。 【本件発明の要旨】 (請求項1) 複数のレンズで構成され,読み取り対象からの反射光を所定の読取位置に結像させる結像レンズと, 前記読み取り対象の画像を受光するために前記読取位置に配置され,その受光した光の強さに応じた電気信号を出力する複数の受光素子が2次元的に配列されると共に,当該受光素子毎に集光レンズが設けられた光学的センサと,該光学的センサへの前記反射光の通過を制限する絞りと, 前記光学的センサからの出力信号を増幅して,閾値に基づいて2値化し,2値化された信号の中から所定の周波数成分比を検出し,検出結果を出力するカメラ部制御装置と, を備える光学情報読取装置において, 前記読み取り対象からの反射光が前記絞りを通過した後で前記結像レンズに入射するよう,前記絞りを配置することによって,前記光学的センサから射出瞳位置までの距離を相対的に長く設定し, 前記光学的センサの中心部に位置する受光素子からの出力に対する前記光学的センサの周辺部に位置する受光素子からの出力の比が所定値以上となるように,前記射出瞳位置を設定して,露光時間などの調整で,中心部においても周辺部においても読取が可能となるようにしたことを特徴とする光学情報読取装置。 【本件審決の理由の要旨】 ア 引用発明(刊行物1に記

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判例紹介:「マイクロモジュールと非接触式近接通信手段を備える再現装置とからなる組立品」審決取消請求事件

15.04.30 判例

【判決日】平成27年3月31日 【事件番号】平成26年(行ケ)第10129号 審決取消請求事件(http://www.ip.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/028/085028_hanrei.pdf) 【キーワード】相違点,容易想到性 【ひとこと】裁判所は,明細書の記載だけでなく,一般的文献等の記載も考慮して,「能動的」という用語の解釈を判断しています。このため,「能動的」のように当該発明の技術分野において一般的な用語を用いる際には,特許発明の技術的範囲が意図と異なるものとならないように,十分に注意して記載する必要があるといえます。また、今回の事案に限らず,意図に沿った形で限定した補正ができるように,下位概念の記載を設けることも検討すべきといえます。 【判決要旨】 1.結論 原告が主張する取消事由は理由がなく,本件請求は棄却すべきものと判断する。 2.事案の概要 本件は,発明の名称を「マイクロモジュールと非接触式近接通信手段を備える再現装置とからなる組立品」とする発明についての拒絶査定不服審判の審決の取り消しを求める審決取消訴訟である。争点は,一致点及び相違点の認定の誤り(取消事由1)および相違点の判断の誤り(取消事由2),手続き違背(取消事由3)である。 3.補正後の本件発明(下線は補正箇所) [請求項1] 端末との少なくとも一方向の通信のための携帯用通信装置であって, チップを含むマイクロモジュールと, マイクロモジュールを収容するように構成された読取装置とを備え, 読取装置は,マイクロモジュールが端末と通信するようにすることができるアンテナと,マイクロモジュールを能動的にすることができるバッテリとを備え, マイクロモジュールがアンテナに対して取り外し可能であるように前記アンテナが前記読取装置によって保持され, チップが,非接触式であり,またアンテナを通して端末に無線周波数通信を伝送することができる無線周波数用のチップであることを特徴とする,携帯用通信装置。 4.審決における引用発明との相違点 (相違点1)「補正後の発明では,「読取装置」が,「マイクロモジュールを能動的にすることができるバッテリ」を有するのに対し,刊行物発明では,「電子情報読み取り・書込み装置」について,そのような特定がなされ

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判例紹介:「水晶発振器と水晶発振器の製造方法」審決取消請求事件

15.04.15 判例

【判決日】平成26年10月9日 【事件番号】平成25年(行ケ)第10346号 審決取消請求事件 (http://www.ip.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/549/084549_hanrei.pdf) 【キーワード】新規事項の追加 【ポイント】 明細書中の2つの段落の各記載に係る構成の態様は,それぞれ独立したものであるから,そこに記載されているのは,各々独立した技術的事項であって,これらの記載を併せて,本件追加事項が記載されているということはできない。 【ひとこと】 ・実施形態の説明の後に、種々の変形例を記載することがありますが、複数の変形例を組み合わせた態様については、明細書に記載の範囲内とは言えないと判断されています。 ・訂正請求の際の新規事項追加に関する判決ですが、審査中の補正(特許法第17条の2第3項)においても同様の考え方が適用される可能性があるかもしれません。 ・【0043】は、変形例ではなく実施例1~4の説明をしているだけのようにも読めます。そうだとすると、【0041】の記載は「本実施例の変形例」として記載されているため、【0041】+【0043】の内容は単に「実施例+【0041】の変形例」という態様に過ぎず、明細書の記載の範囲内と言えるようにも思いますが、そのような判断はなされていません。 【判決要旨】 1.結論 訂正事項1及び2の追加は,特許法134条の2第1項ただし書及び同条9項が準用する同法126条5項に違反し,不適法であるから,原告主張の取消事由1は理由があり,取消事由2について判断するまでもなく,審決は違法であり,取消しを免れない。 よって,原告の請求は理由があるから,これを認容することとし,特許庁が無効2012-800211号事件について平成25年11月18日にした審決を取り消す。 2.事案の概要 被告は,発明の名称を「水晶発振器と水晶発振器の製造方法」とする特許第4074935号(請求項数3)の特許権者である。 原告は,本件特許の請求項1ないし3に係る発明について,特許無効審判を請求し、被告は訂正請求をした。特許庁は,「請求のとおり訂正を認める。本件審判の請求は,成り立たない。」との審決をした。本件は、原告がその審決の取消しを求めた事案である。 3.発明の内容 【請

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判例紹介:「固体麹の製造方法」審決取消請求事件

15.04.15 判例

【判決日】平成26年12月24日 【事件番号】平成26年(行ケ)第10103号 審決取消請求事件(http://www.ip.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/747/084747_hanrei.pdf) 【キーワード】相違点の看過,容易想到性 【ひとこと】 ・製麹工程における諸条件が,何を課題にするかによって適正な組み合わせが異なり,課題に適した組み合わせは,相当程度の試行錯誤なくして見出すことは困難であるとする判断は,製造方法における各条件の組み合わせで進歩性を見出していく際に参考になると考えます。 ・ただし,本願発明では,「温度及び湿度が任意に調整された前記回転ドラム本体内で」などと記載され,裁判所の判断でも「本件特許請求の範囲において「・・・前記製麹原料への菌糸の破精込みを活発に」するための各種条件等が十分特定されているかはともかく」とされており,発明の条件の特定が十分であるかは疑問があります。 【判決要旨】 1.結論 特許庁が無効2012-800196号事件について平成26年3月14日にした審決のうち,特許第4801443号の請求項3に係る発明についての特許を無効とする部分を取り消す。 2.事案の概要 本件は,発明の名称を「固体麹の製造方法」とする特許(特許第4801443号)の特許無効審判請求を一部不成立とした審決の取消訴訟である。争点は,進歩性判断の当否である。 3.訂正後の本件発明3(請求項1,2は削除,下線は引例との相違箇所) [請求項3] 少なくとも製麹工程において,回転ドラムが用いられ,撒水又は浸漬,蒸煮,放冷等の原料処理工程を経て製麹可能となされた製麹原料に種麹を接種することにより固体麹を製造する方法において, 前記回転ドラムは,駆動装置により回転される回転ドラム本体と,この回転ドラム本体の内部に装着された品温センサを,少なくとも備え, 種麹の接種後,製麹原料の品温が上昇するまで製麹原料を静置すると共に, 前記回転ドラムが設置された室内の温度及び前記回転ドラム本体内の温度を,共に製麹開始温度となるように調節し, 製麹原料の品温上昇後に製麹原料を常にあるいは少なくとも1~10分間隔で間欠的に攪拌し, 前記製麹原料の攪拌が,前記回転ドラム本体の回転により生じる原料層の傾斜面からの

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判例紹介:平成24年(ワ)第14227号損害賠償請求事件

15.01.05 判例

【判決日】平成26年5月22日 【事件番号】平成24年(ワ)第14227号 損害賠償請求事件(http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=84218) 【キーワード】構成の特定、技術的範囲 【ポイント】本件発明の技術的範囲の解釈において、本件発明の「実質的に水素を含まない雰囲気」ついて、原告は、数値的に数%程度以下をもって「実質的に水素を含まない」を解釈すべきと主張し、被告は、通常の方法では除去することができない程度にしか含まないものと解釈すべきと主張した。裁判所は、「実質的に」を、本件発明の作用効果を奏することの妨げにならない程度にしか水素を含まない意味に解釈し、被告製品が本件発明の技術的範囲に属すると判示した。 【ひとこと】特許請求の範囲はできる限り客観的かつ明確に解釈可能な用語を用いて記載すべきであるが、審査経過などから「実質的」などの曖昧な用語を用いることが避けられない場合もあるかもしれない。この場合、発明の本質、用語の一般的な用法、明細書の記載等からどのように解釈されるのかを勘案した上で用いる用語を検討すべきである。また、こうした曖昧な用語を用いることを回避するため、出願時の明細書中には数値等の具体例をなるべく記載するなど手当すべきと考える。 【判決要旨】 1.結論 被告方法は、本件発明の技術的範囲に属する。原告の請求を認容する。 2.事案の概要 原告は,平成3年12月24日,発明の名称を「p型窒化ガリウム系化合物半導体の製造方法」とする発明について特許出願し,平成8年7月25日に特許権(特許番号第2540791号。以下「本件特許権」といい,この特許を「本件特許」という。)の設定の登録がされた。 本件特許に対し特許異議の申立てがされ,これが特許庁に係属していた平成9年9月24日,原告は、願書に添付した明細書の訂正を請求し、特許庁はこれを認め、特許を維持する決定をし、その決定は確定した。 3.本件訂正後の特許請求の範囲の請求項1の記載(訂正部分に下線を付す。構成要件に分節) 【請求項1】 A 気相成長法により,p型不純物がドープされた窒化ガリウム系化合物半導体を成長させた後, B 実質的に水素を含まない雰囲気中, C 400℃以上の温度でアニーリングを行い, D 上記p型不

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判例紹介:「透明フィルム」審決取消請求事件

15.01.05 判例

【判決日】平成26年9月25日 【事件番号】平成25年(行ケ)第10266号 審決取消請求事件 (http://www.ip.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/533/084533_hanrei.pdf) 【キーワード】除くクレーム 【ポイント】いわゆる「除くクレーム」による訂正を行うにあたり、原告は,本件訂正は進歩性欠如の無効事由を回避するために行われたものであるから訂正の手法を逸脱しており,これによって第三者が不測の不利益を被る可能性があるなどと主張するが、進歩性欠如の無効事由を回避するために行われたか否かはそれ自体として訂正の適否を左右するものではない。 【ひとこと】ソルダーレジスト事件では、新規事項追加か否かの判断は「新たな技術的事項を導入するもの」か否かで行うべきとの判示がなされました。これを受けて、審査基準の除くクレームに関する記載から「例外的に」補正を認める旨の記載が削除されました。しかし、その他の記載はそのまま残っているため、審査基準では「先行技術と重なるために新規性等(第29条第1項第3号,第29条の2又は第39条)を失うおそれがある場合」以外の場合において、除くクレームが認められるか否かが明確ではありません。本判決では、この点について、進歩性欠如の無効事由を回避するためであっても除くクレームによる訂正が可能なことを判示しています。これは、補正時でも違いはないものと思います。 【判決要旨】 1.結論 審決における本件訂正の適法性判断に原告の主張する誤りがあるということはできない。 審決には,甲1発明に対する本件発明の新規性及び進歩性についての判断に関して誤りがあり,この誤りは審決の結論に影響するものである。よって特許庁が無効2012-800053号事件について平成25年8月28日にした審決を取り消す。 2.事案の概要 被告は、発明の名称を「透明フィルム」とする特許第4768217号の特許権者である。原告は、特許庁に対し本件特許を無効にすることを求めて審判の請求をしたところ、特許庁から「請求の通り訂正を認める。本件審判の請求は,成り立たない」とする審決を受けた。本件は、原告がその審決の取消を求めた事案である。 3.発明の内容 【請求項1】(※下線部は訂正箇所) エチレン/酢酸ビニル共重合体,

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判例紹介:平成25年(行ケ)第10234号 審決取消請求事件

14.12.27 判例

平成25年(行ケ)第10234号 審決取消請求事件 1.要約 固着性の確保は刊行物1発明の必須の課題であって,刊行物1発明におけるパターニングの方法については,刊行物1発明と同程度の固着性を確保できなければ,他のパターニングの方法に置き換えることはできないというべきである。そして,刊行物3発明のパターニング方法におけるカーボンナノチューブの固着性についてみると,刊行物3発明は,「カーボンナノチューブを塗布,圧着,埋込み等の方法で合成樹脂製の支持基板12上に供給する」と記載しているのみであって,固着性について特段の配慮はされておらず,カーボンナノチューブ層が支持基板12に対して,いかなる程度の固着強度を有するかも不明である。よって,刊行物1発明に刊行物3発明を適用することには阻害要因があるから,刊行物1発明に刊行物3発明を適用して相違点1に係る本願発明の構成とすることを当業者が容易に想到し得るとした審決の判断には誤りがある。 2.事案の概要 本件は,拒絶査定不服審判の請求不成立の審決に対する取消訴訟である。争点は,容易想到性である。 3.本件発明の要旨 【請求項1】 基板製品を製造する方法であって, 基板を提供するステップと, 該基板の表面にカーボンナノチューブの懸濁液を塗布し,前記基板の表面にカーボンナノチューブ層を形成するステップであって,該カーボンナノチューブ層は複数のカーボンナノチューブ相互が絡み合う不織布状態であり,且つ,該カーボンナノチューブ層は実質的に無定形炭素を含まない,ステップと, 前記カーボンナノチューブの不織布状態から実質的に全ての溶剤を除去するステップと, 所定のパターンに従って前記カーボンナノチューブ層の一部を選択的に除去し,製品を製造するステップと,を含むことを特徴とする方法。 4.刊行物1発明との一致点および相違点 (1)一致点 「基板製品を製造する方法であって, 基板を提供するステップと, 該基板の表面にカーボンナノチューブの懸濁液を塗布し,前記基板の表面にカーボンナノチューブ層を形成するステップであって,該カーボンナノチューブ層は複数のカーボンナノチューブ相互が絡み合う不織布状態であるステップと, 前記カーボンナノチューブの不織布状態から溶剤を除去するステップと, カーボンナノチューブ層のパターニン

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判例紹介:平成26年(行ケ)第10044号審決取消請求事件

14.12.27 判例

【判決日】平成26年11月20日 【事件番号】平成26年(行ケ)第10044号審決取消請求事件(http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/652/084652_hanrei.pdf) 【キーワード】請求項中の用語の意味 【事案の要約】 審決では、「Eメール機能はセキュリティ特権の中の一であって、「セキュリティ特権」は,Eメールなどの「機能」と登録した「指紋」とを結びつけるものであり、「機能」や「指紋」から独立して設定可能な「セキュリティ特権」があるものではないと解される。」等と認定した。なお、「指紋」は本願発明の生体計測テンプレートに相当する。 これに対して、裁判所は、「「セキュリティ特権」は「生体計測テンプレート」や「機能」とは異なるものであることを理解することができるものと認められ、本願明細書の記載も上記の内容に沿うものである。そして、引用発明においては、指紋とプログラム(本願発明の機能に相当する。)とが直接結びつけられているものであるから、引用発明は、本願発明における「セキュリティ特権」に相当する構成を含むものではない。」、「引用発明には本願発明の「セキュリティ特権」に相当する構成が含まれない以上、審決の述べるように、引用発明において、オペレータがプログラムへのアクセス権限を与えられていない場合に、その機能へのアクセスを許可しないようにする、つまり、権限があってもそのプログラムへのアクセスの権限でなかったり、そもそも権限がないときにはアクセスできないようにしたとしても……本願発明の構成となるものではない。」と判断し、審決を取り消した。 【ひとこと】 引用発明は、指紋と機能との対応関係を用いて、指紋に対応する機能の有無を判定している。 本願発明は、指紋(生体計測テンプレート)とセキュリティ特権との対応関係と、セキュリティ特権と機能との対応関係の両方を用いて、指紋に対応する機能の有無を判定するものである。つまり、本願発明は、セキュリティ特権を利用するものの、結局のところ、指紋と機能との対応関係を判定するものといえる。 しかし、本願発明(本願図6のフローチャート参照)では、まず指紋に対応づけられたセキュリティ特権があるか否かを判定し、肯定判定だったならば、そのセキュリティ特権が、タッチされたアイコンの機

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